2024年12月5日、代官山の「晴れたら空に豆まいて」にて開催された音楽プロデューサーYANAGIMAN氏主催の特別なイベント「Joy Music with YANAGIMAN」に、LaLaLu代表のじゅんきが参加してきました。
会場に足を踏み入れると、そこには多くの音楽ファンで溢れ、期待に満ちた空気が漂っていました。私自身、音楽プロデューサーとして活動するYANAGIMAN氏の音楽への姿勢に強く共感していることもあり、今回のイベントへの参加を心待ちにしていました。
YANAGIMANプロフィール
YANAGIMAN(本名:柳幸康)は、1960年鹿児島県出身の音楽プロデューサー。バークリー音楽大学卒業後、ジャズミュージシャンとしてのキャリアをスタートし、1995年から本格的にプロデューサー活動を展開。
ケツメイシ、FUNKY MONKEY BABYS、CHEMISTRY、Crystal Kay、倖田來未、中島美嘉、加藤ミリヤ、エレファントカシマシ、BoA、Def Tech、平原綾香など様々なアーティストへの楽曲提供や編曲、プロデュースを行う。また、ビルボードシーンで活躍中のUsherのリミックスや、香港の歌手IVANWANG、HotCha、Ella Koonなど海外のアーティストへの楽曲提供も行う。
- 2005年(平成17年)、ケツメイシ『ケツノポリス4』でダブルミリオン達成 日本レコード大賞ベストアルバム賞を受賞
- 2007年(平成19年)、BoA『LOVE LETTER』で日本レコード大賞金賞を受賞
- 2011年(平成23年)、FUNKY MONKEY BABYS『それでも信じてる』で日本レコード大賞優秀作品賞を受賞
- 2013年(平成25年)までに関わってきた作品のCD累計出荷枚数は2,000万枚以上 洗足学園音楽大学の客員教授としても活躍し、若手の育成に力を入れている
印象的だったアーティスト特集
この夜、「Joy Music with YANAGIMAN」には、数々のヒット曲を生み出してきたベテランミュージシャンから、次世代の音楽シーンを担う新進気鋭のアーティストまで、様々な個性を持つ実力派が集結しました。それぞれが織りなす音楽と、YANAGIMANさんとの対話は、どれも印象的な場面ばかり。その中から特に心に残った3組のアーティストをご紹介します。
森本ナムア

R&Bシンガーソングライターの森本ナムアさんは、音楽を通じた深い情感表現とシルキーボイスが特徴です。幼少期からジャズダンスやヒップホップダンスに親しみ、J-POPやR&Bに強い関心を持って育ちました。その後、アメリカ、フランス、イタリア、オーストラリア、インド、パラオなど、10カ国以上を旅して音楽と人生の本質を探求。その経験は、彼女の音楽性に大きな影響を与えています。
2011年の東日本大震災が彼女の人生における重要なターニングポイントとなり、「後悔のない人生を」という強い決意のもと、本格的なアーティスト活動をスタート。2015年の『alone time..』でデビューを飾り、『S・O・K・U・B・A・K・U!!』『bad boy & bad girl』など、ワケありの恋をテーマにした楽曲を次々とリリース。小悪魔的なビジュアルと天性のシルキーボイスで、特に若い世代から強い支持を得ています。
今回のライブでは、その表現力の高さと感情豊かな歌声で観客を魅了し、音楽が持つ普遍的な力を改めて感じさせてくれました。
三ツ矢雄二

愛知県豊橋市出身の三ツ矢雄二さんの登場は、会場を驚きと感動で包みました。『タッチ』の上杉達也役や『ドラゴンボール』の界王神役など、数々の名作アニメで活躍してきた彼ですが、この日のステージでご本人は「音楽は素人」と謙遜されていました。しかし、その声優として鍛えられた美声は、まるで声楽家のような迫力と繊細さを兼ね備え、聴衆を魅了。特に、朗読のように語り掛ける歌唱スタイルは唯一無二で、会場中から盛大な拍手が送られていました。
実は三ツ矢さんの音楽との出会いは幼少期に遡ります。10歳の時に中部日本放送の『どんぐり音楽会』で優勝した経験を持ち、その後、大学時代にはジャズ研究会でボーカルを担当。明治大学文学部で培った文学や芸術への深い理解は、彼の表現力の基盤となっています。
現在は声優業の傍ら、音響監督として『るろうに剣心』や『遊戯王デュエルモンスターズ』などの作品で手腕を発揮し、2000年には自身の劇団「アルターエゴ」を主宰。さらに声優養成所「ミツヤプロジェクト」を設立するなど、後進の育成にも力を注いでいます。そんな多彩な経験と才能を持つ三ツ矢さんだからこそ実現できた、独特の魅力を放つステージとなりました。
前川真悟(かりゆし58)

沖縄を代表するロックバンド「かりゆし58」のボーカリスト前川真悟さん。2005年のバンド結成以来、沖縄音階を基調としながらも、ロックやレゲエを融合させた独自のサウンドで、多くのリスナーの心を掴んできました。沖縄の豊かな文化や伝統を大切にしながら、現代的な音楽性を融合させた彼のアプローチは、地域の枠を超えた普遍的な共感を呼んでいます。
そしてイベントの最後を飾ったのは、彼の代表曲であり、大切な人への感謝を歌った名曲「アンマー」。2006年のリリース以来、母への深い愛情と感謝の気持ちを歌い上げたこの楽曲は、日本有線大賞新人賞を受賞し、かりゆし58の名を全国に轟かせました。この日の演奏でも、感情豊かな歌声と親子の絆を歌い上げる歌詞が場内を包み込み、涙を流す観客の姿も多く見られました。生の歌声が持つ力、そして楽曲の持つ普遍的なメッセージが、まっすぐに観客の心に届いた瞬間でした。
特に印象的だったのは、彼の歌声に込められた沖縄への深い愛着と、家族や日常の大切さを伝えようとする強い想い。コロナ禍を経て、より深いメッセージ性を帯びるようになった彼の音楽は、この夜、確かな手応えとして会場全体に響き渡っていました。
イベントの見どころ
このイベントの最大の特徴は、YANAGIMANが音楽プロデューサーの視点から、アーティストの一曲一曲について深く掘り下げて語るという独特の進行スタイルにありました。普段はなかなか聞くことのできないレコーディング時のエピソードや、曲が生まれた背景、さらには制作過程での試行錯誤まで、音楽制作の裏側を丁寧に解説していただきました。
特に印象的だったのは、YANAGIMANが語る曲作りへの情熱と、アーティストへの深い敬意です。バークリー音楽大学での学びや、ジャズミュージシャンとしてのキャリアから培った音楽理論と感性を基に、各楽曲の持つ魅力を引き出す手法を具体的に解説。時には専門的な視点から、時には一人の音楽ファンとして、楽曲の魅力を多角的に語る姿は、音楽への純粋な愛情に満ちていました。
また、アーティストとYANAGIMANとの掛け合いも見どころの一つでした。三ツ矢雄二さんとは声の表現技法について、森本ナムアさんとは世界各国での音楽体験についてなど、それぞれのアーティストの個性に合わせた対話が展開され、音楽を通じた深い交流の場面を目の当たりにすることができました。
このような進行により、観客は単に演奏を楽しむだけでなく、楽曲の背景にある想いや制作者の苦労、そしてアーティストの成長過程までも共有することができました。まさに音楽と語らう贅沢な一夜と呼ぶにふさわしい、音楽の新たな楽しみ方を提案する素晴らしいステージとなりました。
贅沢な音楽の夜が残してくれたもの

一晩のイベントでしたが、そこには音楽の持つ無限の可能性と、それを追求し続けるアーティストたちの姿がありました。前川真悟さんの魂を揺さぶる歌声、三ツ矢雄二さんの唯一無二の表現力、森本ナムアさんの深い感情表現。そしてそれらを優しく紡ぎ合わせるYANAGIMANさんの音楽への深い造詣と愛情。
LaLaLu代表として、この夜に感じた出演アーティストとYANAGIMANさんへの敬意、そしてYANAGIMANさんの解説を通じて知った音楽制作者の想いは、私の中で大きな余韻となって残っています。音楽家たちの情熱と献身的な努力が、いかに人々の人生を豊かにしているのか。その事実に改めて気付かされ、深い感謝の念が湧いてきました。
ジャンルを超えた音楽の魅力と、それを生み出すクリエイターたちの熱意が詰まった、まさに「贅沢な一夜」でした。次回の「Joy Music with YANAGIMAN」の開催を、今から心待ちにしています。音楽は、こうして人々の心を繋ぎ、新たな感動を生み出し続けているのだと、身をもって実感した素晴らしいイベントとなりました。
LaLaLu代表 じゅんき
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